エルサルバドル ラ・パルマからニュークロップ

当店では初のエルサルバドルをリリースです。

 

 

 

干し葡萄やプルーン、マカダミアナッツのような風味

冷めるにつれて巨峰のような優しい酸味と密度のある甘さ

ミルクチョコレートのような余韻が長く続く

 

 

エル・トロンピージョ農園(コーヒーが育つ山系のアロテペック・メタパンという地域における自生木に対して一般的に付く名前)

 

ドン・オビディオは、チャラテナンゴのラ・モンタニータで生まれ、15歳のときから父親と一緒に農業を営んでいましたが、サルバドル内戦で戦闘に巻き込まれ、米国への不定期移住を余儀なくされました。
1990年、彼は最初の農園を始め、より良い場所とより高い標高の農地を購入するために、この農園と他2つの農園を売却しました。標高1,400〜1,550mのエル・トロンピージョ農園は、彼が父親から受け継いだ土地です。
当初はパカスを植え、5年間は手作業でパルプしていました。
その後知識を得て、さらに1,650mの土地を購入し、パカマラを植え、ウォッシュド、ナチュラル、ハニーのコーヒー豆を生産・加工しています。
彼の周りには親しみやすい生産者がいて、知識や農業技術を共有しています。
オビディオは4人の子供を持つ家庭人であり、多くの宗教的信条を持ち、自然を愛し、その地域の生態系を守っている生産者です。

 

 

 

  

CaféNor-カフェノル」

 

カフェノルは、エルサルバドルのサンタアナ近郊にあるドライミル(コーヒー豆を乾燥させるための施設)である。

1800年代、四世代前からこの土地に根付き、コーヒー生産に携わるアレハンドロさんがリーダーシップを執り、地元の生産者とともに作り上げたミルだ。まだ稼働して間もないこのミルには毎日生産者が訪れ、アレハンドロさんにコーヒーを託す。

 

「私の家族は1800年頃、四代前からコーヒー生産に携わっています。コーヒーは遺伝子に組み込まれているようなものですね。私はコマーシャルコーヒーの農園を受け継ぎ、運営していました。1980年代には、祖父の土地を地元の人々に売ったり譲ったりして、その土地でもコーヒー生産が始まりました。その頃、スペシャルティコーヒーを求めて海外から様々なロースターがやってきました。私は彼らによってスペシャルティコーヒーの存在を知り、一旦地元を出て、カラベラ社(中米のコーヒー輸出会社)で働くことに決めました。カラベラ社では、ニカラグアをメインに五年間勤め、エルサルバドルにも拠点を作りました。カラベラ社に勤めたことによって、スペシャルティコーヒーの知識や経験を得るとともに、元々スタンプタウンで働いていた同僚を通じて、フォーバレルなどアメリカ西海岸のロースターとつながることもできました。そして2017年に地元に戻り、カフェノルの事業を開始しました」

アレハンドロさんの祖父が所有していた土地は元々コーヒー農園ではなく、当時は荒れ果てていたが、地道に整えることで、地元の人々がコーヒーを生産できるように持ち直したという。それが、現在のコミュニティの原型になった。その後、アレハンドロはスペシャルティコーヒーの最前線に触れ、これが地元の人々を幸せにする道だと確信したのである。 

 

 

 

同じ船に乗っている

「このドライミルは、建物に地元の建材を使ったり、地元で雇った人たちによって建てられました。また、ドライミルやカッピングラボの電力は、屋根にあるソーラーパネルからの電力で賄っています。ここを訪れたロースターやバイヤーはこのようなあり方をとてもいいと言ってくれますし、コミュニティの人々はそれをとても誇りに思ってくれています」

私たちが「そこまでコミュニティに尽力するあなたの使命感はどこから来るのですか?」と尋ねたとき、アレハンドロは少しぽかんとしたあと、笑いだして「みんなで良くなりたいと思うのは当然のことです」と言った。それは彼らしいシンプルで本質的な答えだった。

「このコミュニティは、みんなで同じ船に乗っているようなものです。自分だけが裕福になることはありえないし、自分だけでは裕福になりようがない。私はいいリーダーになりたいと思うけれど、みんながいないとリーダーにもなれません。コミュニティを育むために大切なのは、まず誰かを助けること。そうすると周りの人たちも真似してくれて、助け合いになります。例えば、先日私の車が故障したのですが、一番に助けに来て、解決するまで一緒にいてくれたのはやはりコミュニティの人でした。コーヒーの生産に関しても、生産者どうしで健康的な競争が生まれ、コーヒーに愛情と情熱が込められるようになりました。ここは本当にオープンマインドで平和なコミュニティです。もちろん、忍耐力も必要です。新しくことを起こすためには、一人ひとりに丁寧に説明し、みんなの代わりに考え、交渉する必要があります」

 

 

未来について

「カフェノルの生産量は、2018年は250袋、2019年はその倍、今年は1,000袋と徐々に増えています。このミルの最大生産量は2,000袋と見込んでいるので、これからも少しずつ増やしていきたいですね。また、将来に向けて取り組んでいるのは、トレーサビリティとサステナビリティに対するアクションです。M Cultivo(コーヒーチェリーの公正な買取価格を、生産者にSMSで配信するプラットフォーム)への投資やカーボンニュートラル認証の取得を進めています。 

また、このコミュニティの輪はほかの地域にも広がっています。コーヒーのコンペティションですれ違ったチャラテナンゴの生産者さんに『もしかしてアレハンドロさんじゃないですか?是非一緒に仕事をしたいのですが』と話しかけられて、そこからチャラテナンゴのコーヒーも取り扱うようになりました。彼の友人、親戚を伝わって、その輪はどんどん広がっています。私はただ、正直で素直な友情をベースに、この仕事を進めています」

アレハンドロは、ただ身近な人たちを幸せにするために一生懸命仕事をする。その姿勢が誰かの信頼を得て、次の誰かに繋がっていく。コーヒーの生産量が減少し続けるエルサルバドルにおいて、彼のコミュニティの広がりは、確実に強い影響力を持つだろう。それは私たちも同じ。これから世界中のロースターが「同じ船」に乗って、アレハンドロとともに、エルサルバドル未来を切り拓いていくだろう。

 

※TYPICA様HPより抜粋

 

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